金型職人・氏田さま

金型職人・氏田さま

金型職人が語る「作り手」と「使い手」の思い。

 

私たちが大切に育てているプロダクト「momo Rice Plastic Plate」。 実際に愛用してくださっている方々の暮らしの風景をご紹介するブログ連載「User's voice」。

記念すべき第1回目はABCサステナテーブルさまにご登場いただきました。(前回の記事はこちら

そして第2回目となる今回。 実は、私たちにとって少し特別な、そして誰よりもこのお皿のことを深く知るゲストをお迎えしました。

今回のゲストは、金型職人の氏田さんです。

氏田さんは「momo Rice Plastic Plate」の美しくなめらかな曲線を形作る「金型」を製作してくださった新潟県三条市・有限会社一成モールドのアトツギであり職人さん。さらにはこの製品の魂とも言える素材「ライスレジン®」を私に紹介してくれた、まさにこのプロダクトの生みの親のお一人。

私と氏田さんの出会いや、開発秘話については、こちらのnoteでも詳しく綴っています。職人としての氏田さんの情熱をぜひご覧ください。 https://note.com/makes_and_things/n/n4ee952c9d579

作り手として、そして二人の娘さんを持つパパとして。 技術と暮らしの両面から、momo Rice Plastic Plateのある風景を語っていただきました。



職人の食卓、パパの顔。

氏田さんのX(旧Twitter)アカウントを拝見していると、日々のお仕事の様子と共に、可愛らしい娘さんたちとの温かいエピソードが綴られています。 (氏田さんのXはこちら:https://x.com/RyosukeUjita

氏田家には4歳になるお姉ちゃんと、1歳になったばかりの妹さん、二人の娘さんがいらっしゃいます。(取材時) 職人として厳しくものづくりに向き合う氏田さんも、ご自宅ではお子さんの成長に目を細める優しいパパ。そんな氏田家の食卓で、momo Rice Plastic Plateはどのように活躍しているのでしょうか。

「上の娘(4歳)は、もう毎日使っていますよ。毎朝のパンを食べる時はもちろん、ご飯ものの時もこれです」

4歳といえば、手先が器用になり始め、自分で食べる楽しさを覚えつつも、まだこぼしてしまうこともある時期。momo Rice Plastic Plateの縁の立ち上がりや、適度な重みが役立っているようです。

「このお皿、子供にとってすごく『すくいやすい』みたいなんです。娘はお箸も使うんですが、このお皿だとミニトマトも上手につかめる。サラダも卵焼きも、なんでもこのお皿で食べていますね」

そして、離乳食が始まったばかりの1歳の妹さん(娘2号ちゃん)も、お姉ちゃんの真似をしてデビューを果たしました。

「下の子は、パンを細かく切ってこのお皿に入れて食べています。最近はスプーンの練習も始めたんですが、やっぱりすくいやすい形状がサポートしてくれているのを感じます」

姉妹で同じお皿を並べて食事をする風景。 作り手として送り出した製品が、ご自身の家族の成長に寄り添っているという事実は、私たちにとっても何より嬉しい報告でした。



「金型のプロ」が見た、ライスレジンの真価

氏田さんご自身と奥様も、日常的にこのプレートを愛用してくださっています。 ここで話題は、金型職人ならではの「専門的な視点」へと移りました。

プラスチック製品の宿命とも言えるのが、経年劣化による変形やガタツキです。しかし、氏田さんは意外なことに気づいたと言います。

「自分たちも毎日使っていますが、全然傷んでいないんです。全く問題なく使えている。普通のプラスチック皿で起こりがちな変形やガタツキが一切ないんですよ」

なぜ、お米を混ぜたプラスチックがこれほどタフなのか。 氏田さんは、金型のプロフェッショナルとして一つの仮説を立ててくれました。ここからの話は少しマニアックですが、とても興味深い視点です。

「通常、工業用のプラスチック製品には、肉厚部のヒケを抑制させたり形状を保持するために『タルク』という鉱物の粉末を混ぜることがあります。今回使っているライスレジンのお米が、もしかするとそのタルクと同じような役割を果たしているのかもしれません」

お米=食べるもの、柔らかいもの、というイメージがありますが、樹脂の中で構造を支える「柱」のような役割をしている可能性。

「添加物によって分子の配列が変わるのか、それともお米の成分が補強材になっているのか…。これは検証が必要ですが、この『長持ち』な性質は、お米のおかげかもしれないですね。面白い素材です」

職人としての好奇心を刺激されながら、ご自身の食卓でその耐久性を実証実験しているようでした。

お米の利点に関しては私も未知だったので今後材料メーカーさんと連携して秘密を探って参ります。


変わらないからこそ、馴染むもの

革製品のように使い込むほどに味が出る素材も素敵ですが、食器においては「変わらないこと」も一つの価値です。

「テーブルの上に置いた時、すごく落ち着いて見えるんです。プラスチック製品なので『味が出る』というわけではないですが、変形もせず、色褪せもせず、変わらずに日常に馴染んでいる。その普遍的な佇まいが良いですね」

傷がついたり歪んだりすることなく、ずっと同じ表情で食卓にある安心感。 それは、氏田さんが製作した金型の精度と、素材の特性が組み合わさって生まれた「機能美」なのかもしれません。

また、momo Rice Plastic Plateは、一成モールド様の工場見学に来られたお客様にも好評だそうです。

「製造に関わった商品が形としてそこにあることで、金型工場のPRにもなっています。お客様に見せると『これがライスレジンですか!』と驚かれますし、作り手としてとても嬉しいですね」



続けていくこと、その先に見えるもの

最後に、バイオマスプラスチックという新しい素材に挑戦し続ける想いを伺いました。

環境に良い素材であることは間違いありませんが、コストや製造の難易度など、普及にはまだハードルがあるのも事実です。

「バイオマスプラスチックの普及の難しさは、現場にいるからこそ肌で感じています。世の中の動きとしても、いろいろな揺り戻しはあるでしょう」

それでも、と氏田さんは力強く語ります。

「でも、続けていくことで見えてくるものがあると思うんです。一過性のブームではなく、長く使い続けられる良いものができたと自負しています。だからこそ、今まさに子育て中の方々に、もっとたくさん使ってもらいたいですね」



編集後記

金型を作る段階から、このお皿の「産声」を聞いていた氏田さん。 その氏田さんが、ご自宅で娘さんたちとこのお皿を使っているエピソードは、私たちにとって「製品が完成した」こと以上の喜びでした。

職人の厳しい目でも合格点が出せる耐久性と、パパの優しい目線で選ばれる使いやすさ。 その両方が、momo Rice Plastic Plateには詰まっています。

氏田さん、貴重なお話をありがとうございました。 これからも、氏田さんの技術と想いが詰まったこのお皿を、多くの方の食卓へ届けていきたいと思います。

 

最後に娘さんの100点満点な使用シーンの写真を載せさせていただきます。

いっぱい食べて大きくなってね!

おまけ

お皿の裏面には作り手である氏田さんの会社「ISSEI MOLD」のクレジットが入っています。この娘ちゃんもいつか「パパの会社の名前が書いてある!」と気が付く日がくるのかもしれませんね。

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